介護職員の賃上げ「処遇改善加算」の正体!月1万円の引き上げで介護業界改善するのか?

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毎回選挙のたびにクローズアップされる介護職員の賃上げ。来年度には「処遇改善加算」を拡充し、月1万円程度引き上げられる予定になっている。具体策はこれからの審議会で提案されたのちに、年内に決定される見通しとなっている。

この「処遇改善加算」について簡単に説明しておこうと思う。
もともとこの加算のスタートは「処遇改善交付金」として、要件を満たした事業者に対して介護職員(常勤換算)1人当たり月1万5千円に相当する額を交付するといったものでした。
しかしこの交付金は国から交付しているもので、年間2000億円という莫大な賃金を払い続けていくことは不可能であり廃止となりました。
その代わりに介護報酬の中に加算として組み込まれた「介護職員処遇改善加算」が新設されました。加算ということは1割(所得により2割)を利用者も負担しているということです。ご存知でしたか、この介護職員に対する賃金アップの1割(所得により2割)は、利用者が支払っていることになります。

この処遇改善加算についても要件を満たした事業所だけであり、交付を受けた事業所は介護職員の賃金改善のために必ずこの交付金を活用しなければなりません。

ここで問題となってくるのが「介護職員の賃金改善のため」であるということです。介護サービスの事業所は介護職員だけではありません。相談員やケアマネジャー、事務員などさまざまな職種の職員が在籍していますが、交付されるのは介護職員のみとなっています。

これには否定的な見解が多く存在します。福祉業界全体の処遇を改善しなければならないのではないか、このような意見です。福祉業界全体の処遇を改善するためには、介護サービスの収入である基本報酬をアップしなければ改善することはありません。

しかし直近の報酬改定では、基本報酬では引き下げを行い、要件を満たした事業所のみ加算で評価を行うといったものに変更されました。実質プラス改定ということで、政府は発表いたしましたが、人材不足の昨今からこの加算要件を満たすことのできない事業所もたくさんあるのが現状です。事業規模が小さい事業所は特に厳しい状態が続いているのです。基本報酬は下がっていますので、「実質マイナス改定」です。

今後もこの「処遇改善加算」は継続されるべきですが、加算の要件については見直しが必要です。さらにやはり力を入れるべきは「基本報酬」です。これを増やさないことには介護業界全体の改善は見られません!基本報酬を確保して初めてキャリアアップの仕組み作りができるものではないか。



記事 井上歳行

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