特別養護老人ホーム(特養)入所を考える/特養入所を考える会
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特別養護老人ホーム(特養)の入所の現状はこうだ!政府はこの現状で本当にいいと思っているのか!


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特別養護老人ホームの入所は原則的に要介護3以上に限定されました。認知症と家族の会、老人施設協議会、介護福祉士会などは反対を表明してきたのですが、昨年度より決定したのです。

 

特別養護老人ホーム(特養)入所制度改革について

なぜこのような制度になったかというと、この制度が施行されるまでは特養の待機者が52万人と言われており、入所を希望しているのにも関わらず、在宅生活を余儀なくされている重度の要介護状態の方が多くおられたのが理由です。このような方にはいち早く特養に入所して頂き、要介護1・2の方においてはいつまでも在宅でサービスを受けながら生活を続けて頂きたいという事です。
もちろん要介護1や2の方においても入所が認められることもあるのですが、要介護1や2の「軽度の要介護者」が特養を利用する最大の理由は「介護者不在、介護困難、住居問題等」であり、「低所得高齢者の住まい」対策で対応できると説明されてきました。

 

政府が考えている「高齢者向け住まい」とは

では高齢者向け住まいとはどういうものなのでしょう。 低所得・低資産高齢者のため「低廉な家賃の住まいの場として、全国で増加傾向にある空家等の既存資源の有効活用」、「養護老人ホーム、軽費老人ホームの新たな役割や在り方について」、「有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の適正な運用と情報提供体制の充実」の3点で対応可能であるとしてきました。

 

前回の制度改正によるこの状況

さてこの制度改正によってどのように変化してきたのか見てみたいと思います。
懸念されてきたのが軽度者で在宅生活が厳しい方であります。要介護度が軽度であれば在宅サービスを受けて生活が継続できるかというと、一概にそうとは言い切れません。身体機能が比較的しっかりされている方でも認知症という方は多くおられ、そのような方は軽度に判定されることも多くあります。
このような方たちが「介護難民」として、医療施設への実質「社会的入院」老人保健施設を数か月で転々と移り住むようなケースが輪をかけて増えてきています。またそこへも入所できない方は無届けホームへ行かざる得ない状況も出て来ているようです。
さらにそこへも入所できない方については家族の負担が増大している現状があります。

 

空きが出始めている特別養護老人ホーム

当然のことながら52万人おられた待機者は減少傾向にあります。もちろんこの減少が喜ばれるべきものではありません。それは要介護度が低くても世話の大変な人たちの行き場がなくなったということにあります。同時にこれは家族の負担が増えたと言い換えることができますし、介護離職をなくすという政府の政策と逆行している状況が存在します。
さらに空床がある特養も多くあるとの事です。要介護3以上の入所希望の方がおられない特養が多くあり、入所者を求めて相談員などが居宅介護支援事業所などに営業回りをしているのです。
このギャップ、みなさんはいかが思われるでしょうか。私自身は特養入所は介護度の軽度、重度とは関係なく、在宅生活ができない利用があれば入所勘案すべきであるという立場です。軽度であっても在宅生活ができない利用はきちんとあります。

 

政府の対応はどうあるべきか

平成30年度制度改正に向けて、やはり政府は公費負担を増やしていくべきです。それが安心して生活できる社会の実現ではないのでしょうか。介護給付は減額の方針が出されていますが、介護を切り捨てていると認識されてもおかしくない状態ではないでしょうか。

 
記事 井上歳行