特養の入所条件が変更になった本当の問題点とは?

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特養の入所条件が変更になった本当の問題点とは?

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特養の入所条件の変更でどのように変わったのか

平成27年に特別養護老人ホーム(特養)の入所条件が変更となりました。
それまでは、要介護1~5までの介護認定を受けておられる方が入所できるシステムでした。しかし当時、特養の入所希望の待機者が全国で52万人いるとも言われていて、国としてもこのまま放っておくわけにもいかず、原則、要介護3以上の方が入所できるという条件に変更となりました。

この変更後、特養の入所待機者は37万人に減少したとも言われ、一気に15万人ほど待機者が減少した事とになりますが、これは原則的に特養に入所できなくなった要介護1、要介護2の方たちが名簿から外れたからであると言えます。

この特養の入所条件の変更は、私として大反対していました。その理由はのちに述べさせてもらいますが、私が反対するほどに特養では大きな混乱はなかったようです。
もちろん、入所条件の変更に合わせて名簿の作り直しや再度判定のやり直しなどはあったので、その期間大変ではあったようです。

しかしもともと入所されている要介護1や要介護2の人であっても、認知症など心身の状況などにより在宅復帰が無理であると判断されれば入所を継続することができるとの制度もできましたので、無理やり退所となったようなケースはなかったのではないのかと思います。

特養は厚生労働省の誘導で「重度化対応施設」となった!

データで見ると、特養の入所希望者の多くはやはり要介護3以上であって、80%~90%であるとも言われています。特養に入所されている利用者を見ても、やはり圧倒的に要介護3以上の方であるのがわかります。

これは、厚生労働省が打ち出したいくつかの政策で、高齢者に対する医療費を抑制するために、在宅医療や在宅介護の充実させ、終の棲家として特養の役割を期待してきたという影響があると考えられます。

そんな流れの中で、特養の入所条件は変更となりましたが、社会福祉法人などにおられる特養入所担当者や施設長からも特に問題ないと考えている方が多いように思います。

現在の特養でも要介護1・2の人が入所できるシステム「特例入所」

しかし私はこの特養入所条件が変更となり、さらに問題点が大きくなったように思います。
もともと、私は要介護1であっても、要介護2であっても、在宅で生活が継続できないといった方がおられましたので、積極的に受け入れるべきだと考えていました。例えば身体上には大きな問題はないものの、認知症の進行により在宅での生活が継続できないといった方がおられます。そのような方で要介護1や2の判定が出てしまうということは少なくないのです。

以前であれば、そもそも特養の入所基準が要介護1からですので、受け入れる事ができました。
しかし、いまは原則要介護3以上であるために積極的には受け入れることができなくなったのです。

「特例入所を使えば入所受け入れができるじゃないか」
そうおっしゃる方もおられるでしょう。そうです、そのような特養入所が必要な要介護度軽度の方でも入所できるという制度があるのです。それを

「特例入所」と言います。
特例入所にはいくつかの基準があり、それを満たすことができれば特養に入所できるというものです。

「特例入所」の影に潜んでいる大きな問題点とは!

この制度があるから、この特養の入所条件が変更となったとしても、それほど前と変わらないのではないかというのが多くある意見です。
しかし、「原則、特養に入所できるのは、要介護度3以上の人だけですので」と判定すらもしていない特養もあるのが現状なのです。

このような流れは、入所条件が変更する前からありました。
特養の入所申込書は、私の所属していた特養においても月に20件ほど入所の申し込みがありましたので、月に一度の入所判定委員会だけでは、すべての入所申し込み者の判定ができないのです。私どもは臨時的に入所判定委員会の回数を増やして対応していましたが、現場の業務をどうしても優先せざるをえない特養については、軽度者を判定しないということも少なくありませんでした。

そもそも特養の入所待機者は全国で37万人と言われていますが、この数字は申込者全員のものではなく、待機されている人だけの数字であって、特養の判断で名簿に入れていない人は含まれないのです。その名簿に入れるかどうかというのは、その特養の判断で行うことができますので、

軽度者の判定をそもそもしないという特養もあるのが事実なのです。

これは先ほど説明した、厚生労働省の政策で、特養の役割は終の棲家であるというところに通じるもので、重度者を受け入れる割合が多いほど報酬がアップするという、「重度化対応加算」といったものが始まる事と重なってきます。ようするに特養は、収入の観点からしても、軽度者よりも重度者を優先せざるを得ない状況となったのです。

そもそも「特例入所」を判定している特養はどの程度あるのか?

このような重度者のみを受け入れるという特養での流れは、特養の入所条件が変更する事によって拍車がかかる事になりました。
なぜなら、「原則、要介護度3以上ですので」とはっきりと言えるようになったからです。現在、特例入所の制度があるにしても、少々その壁は高いと言わざるを得ません。特養での入所判定委員会だけでの判断ではなく、市町村の判断も求めることができるようになったからです。

そこまで大変な思いをして、受け入れたにも関わらずに、報酬が低いのであれば、どこの特養でも積極的に受け入れることは困難でしょう。そうですこれは特養の責任ではありません。システムに問題があるのは間違いありません。

お分かりになられましたでしょうか。
要介護1~2の方で、特養への入所が必要な方については、少々困難な壁を乗り越える必要があります。いま、その内容についてもまとめていますので、発表する事になるかと思いますが、その点については担当のケアマネジャーもしっかりと検討する必要があると思います。

それでも特養に早く入所がしたい人に

それでもやはり入所が難しいと言われる「特別養護老人ホーム」
どうすれば特養に入所ができるのでしょうか。
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